こんにちは。
星の森ファミリー歯科、歯科医師の伊東です。
「歯の治療でインプラントとセラミックってよく聞くけど何が違うの?」
このような疑問はありませんか?
「インプラント」と「セラミック」という言葉は耳にしたことがあるかもしれません。どちらも歯の機能や見た目を回復するための治療ですが、これらは全く異なるものです。
そこで本記事では、インプラント治療とセラミック治療の違いを解説します。それぞれの治療法の特徴、メリット・デメリット、どんな人に向いているかなどを紹介も紹介します。この記事を読めば、あなたにぴったりの治療法が見つかるはずです。
目次
■インプラント治療とは
インプラント治療は、むし歯や歯周病、事故、加齢などによって歯を失ってしまった場合に行われる治療です。
インプラント治療はまず、インプラント体を顎の骨に埋め込む手術を行い、その後、骨との結合を待ちます。結合が完了したら人工歯を取り付けます。
人工歯の部分は、セラミックやジルコニアなどの素材が用いられるのが一般的です。これらは、自然な見た目と強度を兼ね備えています。
インプラント治療のメリットは、ご自身の歯に近い感覚で噛むことができる点です。また、ブリッジや入れ歯のように周囲の歯を削る必要もないため、他の歯を守る役割も果たします。一方、デメリットは、手術が必要であることや治療期間が長いことが挙げられます。
費用は使用するインプラントの種類、人工歯の素材、治療を行う歯科医院によって異なりますが、自由診療のため高額になることが多いです。
インプラント治療は、歯を失ってしまった方、ブリッジや入れ歯に抵抗がある方、噛み心地と見た目を重視する方におすすめの治療方法です。
■セラミック治療とは
セラミック治療は、むし歯などによって欠けた歯の表面をセラミック素材で修復する治療法です。主に詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)として使用されます。
セラミック治療のメリットは、自然な見た目に仕上がる点と金属アレルギーの心配がない点です。汚れが付きにくく、変色しにくいという特徴もあります。
一方、デメリットとしては、保険が適用されない場合があり、費用が高額になることや強い衝撃で割れる可能性があることが挙げられます。
セラミックは、オールセラミック・ジルコニア・メタルボンドなど、様々な種類があり、それぞれ特徴があります。
オールセラミックは、透明感が高く、自然な歯に近い美しい仕上がりが特徴です。ジルコニアは強度が高く、奥歯など強い力がかかる部位に適しています。メタルボンドは、金属の上にセラミックを焼き付けたものです。強度と審美性を兼ね備えています。
セラミック治療は、歯の見た目を美しくしたい方、金属アレルギーをお持ちの方、むし歯などで歯を修復したい方におすすめです。
■インプラント治療とセラミック治療どちらを選ぶべき?
これまで、インプラント治療とセラミック治療について、それぞれの特徴を説明してきました。では、この2つの治療法はどう選べばいいのでしょうか?
◎大きな違いは歯の「根」があるかないか
セラミック治療は、歯根が残っていることが前提となります。むし歯などで歯の上の部分(歯冠)が大きく欠けてしまった場合でも、ご自身の歯の根っこ(歯根)がしっかり残っていれば、その上にセラミック製の詰め物や被せ物を入れることで、歯の機能や見た目を回復させることができます。
◎歯根がない場合はインプラント治療
インプラント治療は、歯そのものを失ってしまった場合の治療法です。
歯根がないところに人工歯根を埋め込む治療ですので、セラミック治療を行うことはできません。
歯を失った場合の治療法としては、インプラント治療の他にブリッジや入れ歯といった選択肢もあります。
◎歯根が残っていてもインプラント治療を選ぶことがある
「歯根が残っているなら、必ずセラミック治療?」と思われるかもしれませんが、そうとも限りません。
たとえば、歯根が割れてしまっている場合や歯周病が進行して歯を支える骨が大きく溶けてしまっているような場合は、歯根を残すことが難しくなります。
このようなケースでは将来的なことを考え、インプラント治療を選択することもあります。
また、ブリッジは両隣の歯を削る必要があり、入れ歯は違和感や見た目の問題があるという理由から、あえてインプラント治療を選ぶ方もいます。
【それぞれの違いを理解してご自身にあった治療法を!】
インプラント治療とセラミック治療は、それぞれ異なる目的と特徴を持つ治療法です。歯を失ってしまった場合はインプラント治療、歯の見た目や機能改善にはセラミック治療が適していると言えるでしょう。
インプラント治療とセラミック治療、どちらを選ぶべきかは、お口の状態やご自身の希望によって大きく異なります。
「できるだけ自分の歯を残したい」「見た目を自然にしたい」「しっかり噛めるようになりたい」など、何を重視するかによって選択肢は変わってきます。
まずは歯科医師に相談し、それぞれの治療法のメリット・デメリット、費用や期間などを詳しく聞いた上で、じっくりと検討することが大切です。