こんにちは。星の森ファミリー歯科、歯科医師の伊東です。
「自分の横顔に自信が持てない」
「Eラインを手に入れたいけど、マウスピース矯正でも目指せる?」
そんな悩みを抱えていませんか?
Eラインとは、鼻の先端とあごの先端を結んだ直線のこと。このラインの内側に唇が収まっている横顔は、「美しい」とされる一つの基準です。
しかし、出っ歯や口ゴボが原因で、唇がEラインから大きくはみ出してしまい、コンプレックスになっている方も少なくありません。
そこで本記事では、マウスピース矯正(インビザライン)でEラインを整えられるのか、美しい横顔を目指すための3つのアプローチなどについて解説します。
目次
■Eラインって何?理想的な基準
Eラインとは、鼻の先端とあごの先端を結んだ直線(エステティックライン)のことです。横顔の美しさの基準の一つとされています。
Eラインはご自身で簡単にチェックすることが可能です。人差し指や定規を鼻先とあご先にそっと当てて、その線よりも唇が少し内側にあるか、軽く触れているか確認してみましょう。
もし唇がラインから大きくはみ出してしまう場合、その原因として考えられるのが、前歯が前に傾いている「出っ歯(上顎前突)」や、歯並びの乱れによって口元全体が前に押し出されている、いわゆる「口ゴボ」と呼ばれる状態です。
ただし、これはあくまで欧米人の骨格を基準にした考え方であり、すべての人に当てはまる絶対的なものではありません。骨格には個人差があるため、このラインにきれいに収まっていなくても、魅力的な横顔の方はたくさんいます。
■マウスピース矯正(インビザライン)でEラインを整えられる?
結論から言うと、マウスピース矯正(インビザライン)でEラインを整えることは可能です。しかし、前歯を後ろに動かすためのスペースを作り、口元を下げる必要があります。ここでは、そのためのアプローチを3つ紹介します。
◎歯を奥に動かす(遠心移動)
マウスピース矯正では、歯を一本ずつ奥に向かって動かす「遠心移動」という方法で、前歯を下げるためのスペースを作り出します。
奥歯から順番に少しずつ後ろへ移動させていくことで、歯を抜かなくても前歯がきちんと収まる空間を確保でき、口元全体の突出感を改善します。
◎抜歯でスペースを作る
口元の突出感が特に強い場合は、抜歯をして大きなスペースを作り、前歯を下げる方法を選択することがあります。
あごの大きさに比べて歯が大きく、並びきるためのスペースが不足している場合や、前歯を大幅に後ろへ動かす必要がある場合に選択されることが多いです。
「小臼歯」と呼ばれる歯を上下左右で計4本抜歯すると、約14mmもの大きなスペースが生まれます。このスペースを活用して前歯を後ろに引くことで、唇が自然に収まり、横顔の印象が変化するケースも少なくありません。
◎歯の側面を少しだけ削る(IPR)
IPR(歯間研削)とは、歯の健康に影響のないエナメル質の範囲内で、歯と歯の間の側面を削り、歯を動かすスペースを作る方法です。
歯1本あたりに削る量は最大でも0.5mm程度とごく僅かですが、複数歯に行うことでスペースを生み出すことができます。
処置に伴う痛みはほとんどなく、このスペースを利用して、歯のガタつきを整えたり、前歯を少しだけ後ろに下げたりすることが可能になります。
■マウスピース矯正でEライン改善が期待できる人・難しい人
全ての方がマウスピース矯正でEラインの改善が期待できるわけではありません。ここでは、どのような人が効果を期待できるのか、できないのか見ていきましょう。
◎効果が出やすいのは軽度から中等度のケース
軽度から中程度の「出っ歯」や、歯がガタガタに生えている「叢生(そうせい)」の方は、マウスピース矯正でEラインの改善効果を実感しやすい傾向にあります。
これらの歯並びは、歯を正しい位置に並べ直したり、突出した前歯を後ろに下げたりすることで、口元のふくらみが直接的に解消されるため、横顔のラインに変化が現れやすいです。
◎骨格そのものが前に出ているケースは限界がある
歯並びだけでなく、あごの骨格そのものが大きく前に出ているなど、骨格的な問題が主な原因の場合は、マウスピース矯正だけでの改善には限界があります。
上下のあごのバランスが著しくずれている重度の「上顎前突」や「下顎前突(受け口)」といったケースでは、歯を動かすだけでは理想のEラインを得るのが難しいことがあるのです。
このような場合、より強い力で歯を動かせるワイヤー矯正を併用したり、根本的な解決を目指すために「外科矯正」といってあごの骨を切る手術を組み合わせたりする治療法が選ばれます。
■まずは矯正相談で可能性を知ることからはじめよう
Eラインは、横顔の美しさを示す一つの指標であり、鼻先とあご先を結んだ直線に唇が収まっている状態が理想とされます。このEラインの乱れの主な原因が歯並びにある場合、マウスピース矯正(インビザライン)で改善できる可能性は十分にあります。
ただし、軽度から中程度の歯並びの乱れには効果的ですが、あごの骨格そのものが大きく前に出ているなど、骨格的な問題が原因の場合は、マウスピース矯正単独での改善には限界があることも理解しておきましょう。
理想の横顔を目指すためには、まずご自身の歯並びと骨格の状態を正確に知ることから始まります。まずは当院の矯正相談にお越しください。