【診療時間】 9:30~13:00/14:00~19:00
【休診日】祝日午後
海部郡大治町西条字南井口16

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矯正中、歯がグラグラ揺れるのって大丈夫? なぜ揺れることがあるの?


「矯正治療を始めたら、歯がグラグラと揺れる感じがする」

「このまま歯が抜けてしまわないか心配」

と不安になっていませんか?


矯正治療中に感じる歯のグラグラは、多くの場合、歯が計画通りに動いている証拠であり、正常な反応です。歯を支える骨が、歯の移動に合わせて新しく作り替えられているために起こります。


しかし、中には放置すると危険な揺れも。


そこで今回は、矯正中に歯が揺れる原因や注意点、歯科医師に相談すべき危険な揺れなどについて解説します。


■なぜ矯正中に歯がグラグラ揺れるの?


矯正中に歯がグラグラと揺れるのは、歯を支えているあごの骨が、歯の移動に合わせて「作り替え」られているからです。


歯は骨の中に直接埋まっているわけではなく、「歯根膜(しこんまく)」という薄いクッションのような組織を介して支えられています。


矯正装置で歯に力を加えると、この歯根膜が合図を出し、歯が動く方向の骨は溶かされ、歯が動いた後のスペースには新しい骨が作られます。


この骨の作り替えの最中は、一時的に歯の土台が不安定になるため、グラグラとした揺れを感じるのです。


■「心配ない揺れ」と「危険な揺れ」の見分け方


矯正中の歯の揺れには、心配ない「生理的な揺れ」と、注意が必要な「異常な揺れ」があります。ご自身の症状がどちらに近いか確認してみましょう。


◎生理的な揺れの特徴

治療計画通りに進んでいる「生理的な揺れ」であれば、過度に心配する必要はありません。

これは、先ほど解説した骨の作り替えが順調に進んでいるサインだからです。

生理的な揺れの特徴は以下の通りです。


  • ・歯が少し浮いているような、ムズムズする感覚

  • ・指でそっと触れてみても、動いているのが分からない程度のほんのわずかな揺れ

  • ・食べ物を噛んだ時に少し響くような軽い痛みがある


これらの症状は、ワイヤー調整やマウスピースを交換するたびに繰り返されることがありますが、体が慣れてくると感じにくくなる方もいます。


◎異常な揺れの特徴

一方で、以下の症状が見られる場合は「異常な揺れ」の可能性があります。もし 、これらに当てはまる場合は、次の予約を待たずに治療を受けている歯科医院に連絡して相談してください。


  • ・指で触ると、明らかに前後左右に大きく(1mm以上)動く

  • ・調整から1週間以上経っても我慢できないほどの強い痛みが続いている

  • ・歯ぐきが普段より真っ赤に腫れ上がっている、または出血がある

  • ・歯の色がうっすらピンクや灰色っぽく変色してきた


矯正力が強すぎたり、歯周病が隠れていたり、歯の根に問題(歯根吸収)が起きていたりするなど、何らかのトラブルが潜んでいる可能性があります。放置してしまうと、歯や歯ぐきに深刻なダメージを与え、最悪の場合、歯の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。


■歯がグラグラ揺れる期間中に気をつけたい3つの注意点


歯が動いているデリケートな時期だからこそ、守っていただきたいポイントがあります。


◎注意点① 気になっても指や舌で強く押さない

歯が揺れていると気になってしまいますが、指や舌で頻繁に触ったり、強く押したりするのはやめましょう。


歯が動いている最中は、歯の根やその周りの組織が非常にデリケートな状態です。そこに、治療計画にはない余計な力が加わると、歯の動きを邪魔してしまったり、歯の根や歯ぐきに意図しないダメージを与えてしまったりする原因になります。


◎注意点② 硬いものや粘着性の高い食べ物は避ける

歯がグラグラしている期間は、食事の内容にも気を配りましょう。特に、硬い食べ物やネバネバと粘着性の高い食べ物は避けるようにしてください。


おせんべいやナッツ類、骨付き肉、りんごの丸かじりといった硬いものは避けましょう。また、キャラメルやお餅、ソフトキャンディーなども装置にくっつきやすいので注意が必要です。


この時期には、おかゆやうどん、スープ、お豆腐、ヨーグルト、細かく刻んだ野菜など、あまり噛まなくても栄養が摂れるものがおすすめです。


◎注意点③ 丁寧な歯磨きで口内を清潔に保つ

歯がグラグラして痛む時期であっても、歯磨きは丁寧に行い、お口の中を常に清潔に保つことです。


痛みがあるからと歯磨きを怠ってしまうと、食べかすや歯垢が溜まり、むし歯や歯周病のリスクが一気に高まります。特に歯周病が進行すると、歯を支える骨そのものが溶けてしまい、矯正による「生理的な揺れ」が「病的な揺れ」へと悪化してしまう危険性があるのです。


いつも以上に優しく丁寧な口腔ケアを徹底し、お口のトラブルを未然に防ぎましょう。


【矯正中の歯の揺れで不安な時は迷わず相談を】


矯正中の歯のグラグラは、歯が動くための正常な反応で起こることがほとんどです。

しかし、中には矯正力が強すぎたり、歯周病が隠れていたりする危険な揺れもあります。


「揺れの大きさ」「痛みの強さ・期間」「歯茎や歯の色」などを確認し、異常なサインがないか見分けることが大切です。


矯正治療は長期間にわたるため、様々な疑問や不安が出てくるのは当然です。もし少しでも「おかしいな」と感じたら、決して自己判断せずに、かかりつけの歯科医師に相談してください。


星の森ファミリー歯科
歯科医師・歯学博士
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