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海部郡大治町西条字南井口16

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インプラント治療って日本でどれくらい普及してるの? 海外との違いも解説


こんにちは。 星の森ファミリー歯科、歯科医師の伊東です。


失った歯を補う治療法として優れたインプラントですが、実は日本の普及率は歯を失った人のうち3.2%程度と、海外に比べてまだまだ低いのが現状です。


この記事では、海外との普及率の差と、日本でインプラントが普及しきらない4つの理由を解説していきます。


「インプラント=高くて怖い」というイメージだけで選択肢から外してしまう前に、まずは正しい知識を身につけ、治療への理解を深めていきましょう。


■日本のインプラント普及率はまだ低い?データで見る海外との差


厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」に基づく日本のインプラント普及率は、歯を失った人の中でも3.2%程度と、まだ高いとは言えないのが現状です。


令和4年歯科疾患実態調査


一方で、インプラント治療がより一般的な国々に目を向けてみましょう。

例えば、大手インプラントメーカーであるストローマン社が2020年に行った調査では、成人1万人あたりの治療者数で韓国が群を抜いて多く、その普及率は約10%に達します。


次いでスペイン、イタリアといった欧州の国々が続いており、日本との差は明らかです。


2020 Annual Report


このような差が生まれる要因の一つに、国民の「歯」に対する価値観の違いがあります。

欧米では「歯は健康と美の象徴であり、大切な財産」という意識が強く、予防や治療への投資を惜しまない文化が根付いているのです。


このように、海外と比較すると日本におけるインプラントの普及は、文化や価値観の違いもあって大きな差が生まれています。


■なぜ?日本でインプラントが普及しきらない4つの理由


日本でインプラントが普及しきらない理由を4つのポイントに分けて解説します。


◎治療費が高額

日本でインプラントが普及しづらい理由は、やはり治療費が高額であることです。


インプラント治療は、例外を除き、公的医療保険が適用されない「自由診療」です。そのため、費用は全額自己負担となります。


さらに、インプラント本体や手術技術、衛生管理が徹底された設備などが必要となるため、どうしても費用が高くなってしまうのです。


インプラント1本あたり30万円~50万円が全国的な相場で、事故で前歯を2本失ってしまった場合、100万円近い費用がかかることも珍しくありません。


◎手術や痛みの漠然とした不安

「手術が怖い」「痛そう」といった、治療内容に対する漠然とした不安も、普及を妨げている一因です。


インプラント治療では、歯茎を切開し、顎の骨にドリルで穴を開けて人工歯根を埋め込む、という外科手術を伴います。


「手術」と聞くだけで、どうしても痛みや失敗への恐怖を感じてしまいますし、過去のネガティブな報道によるマイナスイメージが先行してしまうこともあります。


実際に、歯科医院で詳しい説明を聞く前に、「インプラント=大変で怖い手術」というイメージだけで選択肢から外してしまう方も少なくありません。


◎歯に対する価値観の違い

日本人の歯に対する価値観も、インプラントが普及しきらない理由の一つと考えられます。


先述の通り、欧米では「歯並びや白い歯はステータス」という意識が強い一方、日本では「痛くなったら歯医者に行く」という考え方が根強く、予防や審美への意識が比較的低い傾向にあります。


実際に、ご両親や祖父母の世代では、歯を失った後の治療として入れ歯やブリッジが主流でした。その影響もあり、「歯が抜けたら入れ歯にするのが当たり前」という感覚が今の世代にもまだ残っており、インプラントという選択肢を遠ざけています。


◎信頼できる情報がどこにあるか分からない

そもそも「どの歯医者で、誰に相談すれば良いのか分からない」という問題も挙げられます。


日本にはコンビニの数よりも多いと言われるほど歯科医院が存在し、インターネット上には膨大な情報が溢れています。


しかし、情報が多すぎるあまり、患者さん自身が「どの情報が正しくて、どの医院が自分に合っているのか」を判断するのが非常に難しくなっているのです。


「インプラント 名医」と検索しても、広告やランキングサイトがずらりと並び、本当に客観的で信頼できる情報を見極めるのは困難です。


結果として比較検討に疲れてしまい、「どこも同じに見えるから、とりあえず近所で…」あるいは「調べるのが面倒だから、もういいや」と、治療をためらってしまう方もいらっしゃいます。


■普及率は低くてもメリットは大きい!インプラント治療の3つのメリット


ここまで日本のインプラント治療が抱える課題についてお話ししてきましたが、それでもなお、インプラントを検討する理由は以下のようなメリットがあるからです。


◎自分の歯のように噛める

インプラント治療のメリットのひとつは、自分の歯のようにしっかりと噛めるようになることです。


埋め入れたインプラントは顎の骨と直接結合するため、入れ歯のように食事中にズレたり、ガタついたりする心配がありません。


入れ歯では諦めていたお煎餅やナッツ類、分厚いステーキ、リンゴの丸かじりなども、インプラントなら気兼ねなく楽しめます。


「自分の歯と変わらない感覚で噛める」という機能性の回復こそが、他のどの治療法にもないインプラントの魅力です。


◎見た目が自然で美しい

機能性だけでなく、見た目の美しさと自然さもインプラントが選ばれる理由です。


被せ物に、天然の歯に近い色や透明感を再現できるセラミックなどの高品質な素材を選ぶことで、周りの歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりになります。


入れ歯のように金属のバネが見えたり、ブリッジのように連結して不自然な形になったりすることもありません。


◎周りの健康な歯を守れる

インプラントは、今ある健康な歯を犠牲にすることはありません。


ブリッジは、失った歯の両隣にある健康な歯を大きく削り、それを土台にして橋を架けるように被せ物をします。一度削ってしまった歯は二度と元には戻らず、むし歯になりやすくなったり、負担がかかって寿命が短くなったりするリスクがあります。


インプラントは失った部分に単独で埋め込むため、周りの健康な歯を傷つける必要がありません。お口全体の健康を長期的に維持するという観点からも、メリットの大きい選択肢と言えます。


【インプラント治療を正しく理解して不安なことは歯科医師に相談しよう】


普及率が低いという事実だけを見ると、治療をためらってしまうかもしれません。しかし、インプラントには他の治療法にはない、生活の質を大きく向上させるメリットがあります。


費用や手術に対する漠然とした不安は、正しい知識を得て、信頼できる歯科医師と対話することで解消できます。


インターネットの情報だけで判断するのではなく、まずは歯科医師に相談し、ご自身の悩みや疑問を直接ぶつけてみることが大切です。


星の森ファミリー歯科
歯科医師・歯学博士
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