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海部郡大治町西条字南井口16

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矯正後のリテーナー(保定装置)って何?使わないと歯は後戻りする?


こんにちは。 星の森ファミリー歯科、歯科医師の伊東です。


「矯正が終わったのに、まだ装置をつけないといけないの?」

「リテーナーをサボったら、歯並びは元に戻っちゃう?」

「どんな種類があって、自分はどれを使うんだろう?」


このような疑問はありませんか?


歯列矯正で動かした直後の歯は、まだ完全に固定されておらず、何もしなければ元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起きてしまいます。


この後戻りを防ぎ、整えた歯並びを定着させるために絶対に必要なのが「リテーナー(保定装置)」です。


そこで本記事では、リテーナーの重要性から、必要な装着期間や時間、代表的なリテーナーの種類を解説します。


■矯正後の「保定期間」が重要!リテーナーの目的


保定期間とは、矯正治療で動かした歯が元の位置に戻るのを防ぎ、新しい位置にしっかりと安定させるための大切な治療期間です。


矯正治療を終えたばかりの歯は、歯を支えている骨や周りの組織が不安定な状態。歯がグラグラしているわけではありませんが、まだしっかりと根付いていません。


そのため、保定期間では、「リテーナー(保定装置)」と呼ばれる装置を装着して、整えた歯並びを固定させていきます。


リテーナーを使わないと、歯は残念ながら元の位置に戻ろうとします。この現象を専門的に「後戻り」と呼びます。


歯並びを新しい位置で完全に安定させるために、リテーナーによる物理的な固定が必要になるのです。


■リテーナーの装着期間と1日の装着時間


ここでは、リテーナーの装着期間と時間について目安をお伝えします。


◎保定期間の目安は「矯正期間+α」、最低2年が基本

保定にかかる期間は、一般的に「矯正治療にかかった期間と同じか、それ以上」が目安とされ、最低でも2年間は必要と考えるのが基本です。


その理由は、歯の周りの骨や歯茎などの組織が完全に生まれ変わり、新しい歯並びに馴染んで安定するまでに、それ相応の時間がかかるためです。もちろん、元々の歯並びや年齢、骨の状態によって必要な期間は人それぞれ異なります。


例を挙げると、もしあなたが2年間かけてワイヤー矯正やマウスピース矯正を行ったのであれば、最低でも2年間の保定期間は必要になる、と考えておくと良いでしょう。


ただし、これはあくまで一般的な目安です。最終的な期間については、あなたの歯の状態をよく知る担当の歯科医師の指示に必ず従ってください。


◎1日の装着時間は?最初の1年は「1日20時間以上」

矯正治療が終わってからの半年から1年間は、1日20時間以上の装着が多いです。この時期は、後戻りのリスクが最も高い期間。


この時期に装着時間が短いと、すぐに元の位置へ動き始めてしまう可能性があります。


リテーナーを少し外しただけなのに、「あれ、なんだかキツくなった?」と感じた経験がある人もいるかもしれませんが、それは歯が動いているサインです。


イメージとしては、食事と歯磨きの時間以外は、基本的にずっと装着しましょう。歯並びが安定してきたと歯科医師が判断すれば、少しずつ装着時間を減らしていきます。


■代表的な保定装置(リテーナー)の種類


リテーナーと一言でいっても、実はいくつか種類があります。ここでは、代表的な3つのリテーナーについて、それぞれの特徴を解説します。


◎マウスピースタイプ

透明なプラスチックで作られた、ご自身で取り外しができるタイプのリテーナーです。「クリアリテーナー」とも呼ばれます。


このタイプのメリットは、なんといっても目立ちにくいことです。また、食事や歯磨きの際には外せるため、お口の中を清潔に保ちやすいという利点もあります。近年、マウスピース矯正が普及したことで、このタイプのリテーナーが主流になりつつあります。


例えば、薄くて歯にぴったりフィットするため装着感は良いですが、その分手軽に外せる分、つけ忘れてしまったり、外したまま紛失してしまったりするリスクも。自己管理がとても大切になります。


見た目を重視する方や、装置の衛生面を気にする方に適したリテーナーと言えるでしょう。


◎固定式リテーナー(ワイヤータイプ)

歯の裏側に、細いワイヤーを医療用の接着剤で直接固定するタイプのリテーナーです。「フィックスリテーナー」とも呼ばれます。


このリテーナーの強みは、24時間365日、歯を固定し続けてくれることです。そのため、後戻りを防ぐことができ、「うっかりつけ忘れた」という心配が一切ありません。特に後戻りしやすいと言われる下の前歯によく用いられます。


もちろん、外からは見えませんが、ワイヤーが固定されているため、その周りに汚れが溜まりやすくなります。歯ブラシや歯間ブラシをうまく使って、丁寧なケアを心がける必要があります。


◎プレートタイプ

歯の裏側をプラスチックのプレートで覆い、表側を一本のワイヤーで押さえる、取り外し式のリテーナーです。ベッグタイプやホーレータイプといった種類があります。


このタイプは、丈夫で壊れにくく、噛み合わせの安定にも効果を発揮するという特徴があります。古くから世界中で使われている、実績と信頼性の高いリテーナーです。


一方で、マウスピースタイプに比べると表側にワイヤーが見えるため少し目立ちやすく、慣れるまでは装置の厚みで違和感を覚えたり、少し話しにくさを感じたりすることもあります。


【保定装置を歯科医師の指示通りに使って歯並びを維持しよう】


保定期間は、動かした歯を定着させるために欠かせない期間です。油断すると、歯は元の位置に戻ろうとしてしまうので、リテーナーの装着は重要です。


最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、この保定期間をしっかりと乗り越えることで、整えた歯並びはあなたの一生の財産になります。


もしリテーナーの痛みや装置の不具合、その他気になることがあれば、すぐに矯正治療を受けた歯科医院に相談してください。


星の森ファミリー歯科
歯科医師・歯学博士
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