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海部郡大治町西条字南井口16

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インプラント治療で重要なメンテナンス 歯磨きは何回やるのがいいの?


こんにちは。


星の森ファミリー歯科、歯科医師の伊東です。


「インプラントを入れたら、むし歯の心配はないから歯磨きは楽になる?」
「歯磨きは何回すればいい?」


インプラント治療を終えた方や、これから治療を考えている方の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。


インプラントを長持ちさせるためには、治療後のメンテナンスだけでなく、毎日の歯磨きも重要になります。


この記事では、インプラント治療後の歯磨きを「しない」とどうなるのか、という怖い話から、「いつから」「何回」「どうやって」磨けば良いのか解説します。


■インプラントは歯磨きをしないとどうなる?


インプラントはチタン製の人工歯根と、セラミックなどの人工材料でできた被せ物で構成されているため、天然歯のようにむし歯になることはありません。


しかし、インプラント周辺の歯磨きを怠ると「インプラント周囲炎」という病気になり、最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまう危険性があります。


インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの歯ぐきに汚れが溜まることで炎症が起き、それが進行してインプラントを支えているあごの骨を溶かしてしまう病気です。天然歯で起こる「歯周病」のインプラント版と考えるとわかりやすいでしょう。


天然歯の歯周病と違い、痛みなどの自覚症状が出にくく、進行が非常に速いのが特徴です。「なんだか歯ぐきが腫れているかな?」と感じた時には、すでにあごの骨がかなり溶けてしまっているケースも少なくありません。


土台の骨がなくなれば、インプラントは支えを失い、グラグラして最終的には抜け落ちてしまうのです。


大切なインプラントを失わないためにも、「インプラント周囲炎」を防ぐ毎日の丁寧な歯磨きが重要になります。


■インプラントの歯磨きは「いつから」始める?


インプラント治療は、手術から最終的な被せ物が入るまで、いくつかのステップを踏みます。歯磨きの方法も時期によって注意点が異なりますので、一緒に見ていきましょう。


◎手術当日~抜糸までは患部を避ける

歯磨き自体は手術当日から可能ですが、手術した部分に歯ブラシが当たらないように注意する必要があります。


うがいをする際も傷口に刺激を与えないように、ぶくぶくと強くうがいはせず、水を口に含んで静かに吐き出す程度の「やさしいうがい」を心がけてください。

ケア方法は、必ず歯科医師の指示に従いましょう。


◎仮歯の期間は汚れが付きやすいため特に丁寧に

仮歯は、最終的に装着するセラミックなどの被せ物と比べて、表面が粗く柔らかいプラスチック素材でできていることが多く、汚れが付着しやすいという性質があります。


プラークが残ったままだと歯ぐきの炎症の原因となり、最終的な被せ物の形を決めるときに影響が出てしまうこともあります。


そのため、インプラントの上に仮歯が入る期間は、汚れが付きやすいため、これまで以上に丁寧に歯磨きをしましょう。


◎最終的な被せ物が入った後は毎日のケアを本格スタート

他の歯と同じように丁寧に磨き始めます。歯ブラシでの清掃はもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスを使ったケアが重要になってきます。


インプラントの寿命を左右するので、インプラントを自分の歯と同じように、毎日正しい方法で清掃する習慣を身につけていくことが大切です。


そして、日々の歯磨きと同じくらい重要なのが、歯科医院での定期的なプロフェッショナルメンテナンス。セルフケアでは落としきれない汚れの除去や、噛み合わせのチェックなど、インプラントを長期的に守るために必要な処置を行います。


インプラントの定期メンテナンスについて、さらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

治療後のメンテナンスもインプラント治療の重要な一部です


■インプラントの歯磨き、理想の「回数」は?


インプラントの歯磨きの理想的な回数は、毎食後と就寝前を合わせた1日3~4回が基本です。もし仕事などで昼食後の歯磨きが難しい場合でも、朝と夜の2回、特に夜は念入りに行いましょう。


食事をすると、お口の中には食べかすが残り、それをエサに細菌が繁殖してプラークが作られます。プラークをできるだけ早く、長時間お口の中に留めないようにするためには、食事のたびに清掃するのが効果的です。


また、就寝中は唾液の分泌量が減り、磨き残しがあると細菌が爆発的に増殖し、インプラント周囲炎のリスクが高まります。歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロスも使い、一本一本丁寧に汚れを落とすことを意識してください。


■インプラントを長持ちさせる正しい歯磨きの「方法」


正しい回数と時間をかけても、磨き方が間違っていては意味がありません。


◎道具の選び方

インプラントの清掃は、歯ブラシだけのケアでは不十分です。歯間ブラシやデンタルフロスの使用は欠かせません。以下のポイントを参考にケアグッズを揃えましょう。


  • ・歯ブラシ:ヘッドが小さく、隅々まで届きやすいもの。毛の硬さは「やわらかめ」が基本です。

  • ・歯磨き粉:研磨剤不使用または低研磨のジェルタイプがおすすめです。

  • ・補助清掃用具:歯間ブラシ、デンタルフロス、タフトブラシ(毛束が一つになった小さなブラシ)があります。


ご自身のお口の状態に合った適切な道具を選ぶことが大前提です。まずは歯科医師や歯科衛生士に相談することをおすすめします。


◎基本の磨き方

歯ブラシは、グーで握るのではなく、鉛筆を持つように軽く持ちましょう。そして、毛先をインプラントと歯ぐきの境目に45度の角度でソフトに当てます。ゴシゴシと大きく動かすのではなく、2〜3mm程度の幅で小刻みに振動させるように磨くのがコツです。


■正しい歯磨き方法と回数を守ってインプラントを長持ちさせよう


インプラントは入れたら終わりではなく、そこからが本当のスタートです。


インプラントの歯磨きをしないと、歯周病に似た「インプラント周囲炎」を引き起こし、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまうリスクがあります。


理想的な歯磨きの回数は、毎食後と就寝前を合わせた1日3~4回。特に、細菌が増殖しやすい就寝前のケアは念入りに行いましょう。また、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用し、インプラントと歯ぐきの境目を意識して優しく磨くことが大切です。


治療段階によって注意すべきポイントが異なるため、手術後から最終的な被せ物が入るまでの期間は、歯科医師の指示に従いながらケアを実践してください。


毎日の正しいセルフケアと定期的なプロフェッショナルメンテナンスで、大切なインプラントを長く維持していきましょう。


星の森ファミリー歯科
歯科医師・歯学博士
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