こんにちは。
星の森ファミリー歯科、歯科医師の伊東です。
「インプラント治療って、どれくらい時間がかかるの?」
「インプラント治療って、具体的にどんなことをするの?」
歯を失ってしまった方にとって、インプラントは治療の選択肢の一つです。しかし、治療期間の長さが気になる方も多いのではないでしょうか?
一般的に、インプラント治療は5~6ヶ月程度の期間が必要となります。しかし、骨の状態や治療方法によっては時間がかかるケースも。
そこで本記事では、インプラント治療の期間や治療の流れについて解説していきます。
目次
■インプラント治療の期間
インプラント治療は、失った歯の代わりに人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。
インプラント治療で用いられる人工歯根は、主に「チタン」と呼ばれる素材が用いられます。
チタンは、人体との親和性が高く、骨と結合する性質(オッセオインテグレーション)を持つため、インプラント治療に適した材料です。しかし、人工歯根を埋め込んだからといって、すぐに骨と結合するわけではありません。骨と人工歯根がしっかりと結合するには、一定の期間が必要です。
そのため、インプラント治療の期間は、あごの骨の状態や治療方法によって異なりますが、一般的には上あごで約12か月、下あごで6か月程度かかります。
当院では、骨の再生を促進する「GBR法」など、治療期間を短縮できる方法を採用しており、最短で3~4ヶ月で治療を完了できる場合もあります。
■インプラントの治療期間が長くなるケース
上記で紹介したインプラント治療の期間は、あくまで目安です。骨量が十分にあり、心身ともに健康な方の場合は、比較的スムーズに治療が進むでしょう。
しかし、インプラント治療は外科手術をともなうため、患者さんのお口の状態や全身の健康状態によって治療期間に個人差が出ます。特に以下の点に当てはまる場合は、治療期間が長くなる傾向があります。
◎あごの骨の量が不足している
インプラント治療では、チタン製の人工歯根をあごの骨に埋め込み、人工歯を支える土台とします。そのため、人工歯根をしっかりと固定させるためには、あごの骨の量と質が重要です。
しかし、歯周病や歯の欠損が長期間続いた場合などは、あごの骨が痩せてしまっていることがあります。このような場合、骨造成手術を行い、インプラントを埋め込むための十分な骨量を確保する必要があります。
骨造成手術とは、骨の再生を促す材料や特殊な膜などを用いてあごの骨を再生させる手術です。これらの手術を行う場合は、骨が再生するまで3〜6ヶ月程度かかるため、治療期間が長くなります。
◎歯周病になっている
インプラント治療を考える上で、歯周病は避けて通れない問題です。なぜなら、歯周病にかかっていると、インプラント治療後も「インプラント周囲炎」という、歯周病に似た病気を発症するリスクが高まるからです。
インプラント周囲炎は、歯周病と同じように歯周病菌が原因で起こる歯ぐきの炎症。進行するとインプラントを支えている骨が溶けて、最悪の場合、インプラントが脱落してしまうこともあります。
そのため、歯周病がある場合は、インプラント治療の前に歯周病治療をしっかりと行い、口腔内環境を改善しておく必要があります。そのため、インプラント治療全体の期間が長くなる可能性が高いです。
◎歯ぐきが痩せている
前歯は、口を開けた時によく見える部分。前歯のインプラント治療では、審美的な観点から美しい歯ぐきが求められます。
しかし、歯周病や外傷などによって歯ぐきが痩せてしまったり、退縮してしまったりしている場合も多いです。このような場合は、歯ぐきの移植手術が必要となり、治療期間が1~2ヶ月程度長くなることがあります。
◎治療方法
インプラント治療には、1回法と2回法があります。1回法は、手術を1回で行う方法で治療期間が短くて済みます。手術回数が少ないため、身体への負担が少ないです。
2回法は、手術を2回に分けて行う方法。インプラントが骨としっかりと結合するのを待ってから人工歯を装着するため、安定性が高くなります。
どちらの方法が適しているかは、治療部位やあごの骨の状態などを考慮して歯科医師が判断します。
■インプラント治療の流れ
ここでは、インプラント治療の流れ(2回法)について紹介します。
◎診断・治療計画
まずはカウンセリングにて、歯科医師に悩みや希望を伝え、インプラント治療に関する疑問を解消します。そして、レントゲンやCT撮影、口腔内写真、歯型採取などを行い、あごの骨の状態や神経の位置などを調べます。
検査結果をもとに治療方法・期間・費用などについて説明を受け、治療計画に同意したら契約を結ぶのが一般的です。
◎事前治療
必要に応じて歯周病治療、むし歯治療、骨造成などを行います。状態が改善されるまで数週間から数ヶ月かかる場合があります。
◎インプラント埋入手術
局所麻酔下で歯ぐきを切開し、あごの骨に人工歯根を埋め込みます。手術は1日で終わります。
◎インプラント定着期間
人工歯根とあごの骨が結合するまで、3~6ヶ月待ちます。上あごの場合は、骨の質が下あごよりも柔らかいため、定着に時間がかかることがあります。
◎二次手術
インプラント体の頭部を露出させ、人工歯を支える土台(アバットメント)を装着します。
◎人工歯の作製と装着
印象採得(歯型取り)を行い、人工歯を製作します。完成した人工歯を装着し、噛み合わせなどを調整します。
◎メンテナンスと定期検査
治療後、3~6ヶ月ごとに定期検査を受け、インプラント周囲の健康状態をチェックします。
■当院は正確な診査・診断をもとに一人ひとりに合った治療計画を提案いたします
インプラント治療の期間は、あごの骨の状態や治療方法、患者さんの全身状態などによって異なります。
一般的には5~6ヶ月程度かかりますが、骨造成や歯周病治療が必要な場合は長くなる可能性が高いです。
星の森ファミリー歯科では、GBR法などの治療法を採用し、最短3~4ヶ月で治療を完了できる場合があります。随時相談を受け付けておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。